フォース4のど真ん中で、1の直前あたり   〜ダイジェストでお送りしております〜
割と何も考えずに書いた。多分色々と最低なので、いっそギャグとして読んで下さい

  やめとく?

いろいろとすいません












 抵抗する右手を、素早く外した彼のベルトでベッドの頭へ括りつけた。
「諦めろってなんなんだよ! なにすんだ、これ外せっ! さもないといい加減ぶん殴るぞ!!」
 威勢の良い声とともに振り回される左手を、楽々と交わして掴みあげる。片腕の力に両腕を持って行かれそうになり、危ういところで腕を掴みその動きを封じた。外した自身のネクタイで、殴られる前にとその元気な左手まで括りつける。
 両腕を拘束されて焦りが増したのか、身体の上に跨がられて苦しくなったのか彼がいっそう強くもがき、パイプのヘッドボードが、がしゃんと耳障りな音を立てた。
「やめっ、やめろ!! 冗談になってねぇぞ! いますぐ、これ外せって……っ!!」
 相手の言葉を無視して、上着の前を開き、シャツの釦を外す。前を完全にはだけさせて、その下の肌着をたくしあげると、鍛えられた贅肉のない素肌が外気に晒された。すでに両腕の自由を奪い、その身体の上に跨っている。抵抗で躍動する身体を押さえ込むのは、難しいことではなかった。
 黙ったままその肢体を見下ろし、指先を脇腹へ伝わせる。肌着の下から性急に胸元を撫で、爪の先でその突端を弾くと、その抵抗がいっそう強くなった。
「なっ……んなとこ触るな!! 俺は男だぞっ、バカッ、やめろっつってんだろ!」
 喉を痛めそうな怒声が響き、部屋の壁に跳ね返った。外からはざわめきが聞こえてくる。
 ――うるさい。
 殴れば早かったのかもしれない。だが、それは厭だった。代わりに右手を相手のズボンへ伸ばしながら、左手で相手の顎骨を力任せに掴む。そして表情のない顔をぐいっと近付け、低い声で囁いた。
「黙れよ。……それとも誰かに見つかりたいのか」
「何言って……っ」
「見られて困るのは俺か? それともお前か?」
「……!」
 言いながらも、右手は素早くズボンを半分まで脱がせる。外気に晒されたのを感じたらしく、触れた素肌がぴくりと震えた。暴れれば自ら足を抜く結果になるのを気にしたのか、動きが少し鈍った。
 この姿を人に見られることを示唆すれば、途端にその声が途切れる。見られたくないのかと、無表情に考えた。無理もない。
 内股に手の平を滑らせると、相手が視線を逸らそうとして、固く目を閉じる。それをも気にせず、下着の上から形をなぞり、力任せにこすりあげた。途端に抵抗の力が弱くなり、相手の咽喉がひゅっと鳴った。歯を食いしばったのを見やり、無感情に力をくわえる。だんだんと掌の中で形を変えるのと対極に、身体の下で押し殺した苦しそうな声が漏れた。
「っ、……や、め」
 声が耳に届いた瞬間、手を止めた。安堵したものらしく、身体の下で緊張した手足から力が抜けた。その隙をついて、張り詰め持ちあがっていた布を取り払った。
 総てを露わにされて、全身に緊張が走る。しかしその緊張が抵抗として現れるより早く、じかに触れたものを擦りあげる手に力を込めた。指先に湿ったものが絡み、掌中で欲望の塊が一層主張を激しくする反面、その腰が怖気づくように震えた。それでも垣間見える抵抗をあざ笑うように、手に力を込め早さを増す。
「くっ、……ん……」
 微かな声が漏れるのを聞いて、ちらりと顔をあげた。視線を逃れるように首を背け、痛いのか苦しいのか、泣きそうに歪められた眉根が微かに見える。頭上に留められた両腕で目許を隠しているのは、表情を隠したいからなのか、与えられる苦しみに耐えるためなのかは判別がつかなかった。その両方かもしれない。どうでもいいことだ。ここまできてしまえば、なにもかもがどうでもいい。その突端へ爪の先を立て、痛いだろうほどに刺激を強めた途端、弾けるようにその肢体が反った。
「……っ、ひ、あ……っ……!」
 声とともに、指先に白濁したものが纏わりついた。相手の身体が再びシーツへ沈み込む。荒い呼吸で胸が上下するのを見て、上体を倒し、先端に歯を立ててやった。呼応するように、身体に緊張が走る。――もう限界だ。
 足に絡んでいたズボンの残りを乱暴に引き抜き、相手の膝裏を肩の上へ抱え上げた。いつからか抵抗する力を失していたのが、事ここに至ってようやく我に帰ったらしい。何をされるのか把握したものと見え、掠れた制止の声が聞こえた気がした。しかし今更止める気などなかった。自分が何をしているのかを、一々考えるのも億劫だ。取り出した己が起立しているのを軽くなだめてやり、慣らしてもいない硬い蕾にあてがう。そして相手の腰を引き寄せて持ち上げ、勢いよく腰を進めた。
「……いっ……!」
 堪えていた咽喉の奥から、これまでとは違う声が押し出された。ベッドが軋む。慣らしていない身体は抵抗が激しく、痛いほどに締め付ける。
「……つっ」
 このままではらちがあかない。どこか冷静な頭で考え、相手の腰を再び抱え直した。相手の身体はもちろん、自分自身を顧みる気にもならない。体の重さと勢いを借りて、無理矢理奥まで貫いた。熱いのか痛いのか分からない。何も考えず、一度引き抜いて、再び深く穿つ。興奮しているという自覚もなく、快感を覚えるという感覚もなかったが、自身のものが萎える様子はなかった。どうあれ刺激を与えられれば、否応なく反応してしまうのは、先程自らが掌中に吐き出させたと同様のものなのだろう。
「……ぅ、あっ……いっ……頼むからっ、も……抜い……っ」
 掠れた声が肌のぶつかる音に混じって耳に届いた。――こんな声は初めて聞いた。なんと辛そうな声を出すのだろうかと思い、ああ実際辛いのかと一人で納得した。その一方で足を抱え直し、動くのを止めない自分が滑稽にも思えた。
「……な、んで……っ……――」
 遠く聞こえた声に答える代わりに、一層深く、乱暴に穿った。動くうちに段々と声は細くなり、抗う動きも弱々しいものになっていったが、何も考えないようただ只管に律動を続けた。







 草案ではもっとネチネチしていた(それを知ってどうしろと)
 視点的に見てないモノなんかは、全部描写から端折った。つまりわりと何も見てない。