先端を埋め込ませると、締め付けが強くなった。一度で収めきることはできず、半ばで動きを止める。
「力、抜けるか」
 尋ねながらその顔へ目を遣ると、表情を隠す腕の下から、小さな声がした。
「……抜く、たって……わかんねっ……よ……」
「大丈夫じゃ……っ、なさそうか……」
 身体に緊張が走っているのが、手に取るように分かる。痛むのだろうか。
 反り立つものを扱き上げてやると、我慢しきれないというように欲望が溢れ、受け入れた箇所がひくひくと動く。しかし力の抜ける気配は見えず、むしろ苦しそうな吐息に、相嶋は僅かに身体を離した。
「待ってろ、いま抜くから」
 途端、磐佐の腕が伸びて、強い力で腕を掴まれた。
「やめっ……い、から来いって、……このチキン……っ」
「でもお前、」
「ここでやめたら、……二度と、やんねぇぞ……!」
 それを聞いて、思わず低く息を吐き出した。控えてやろうという優しさを無碍にするからには、何をされても文句は言わないと、解してもいいのだろう。
「……ここで敢えて引いて、無理させないとか、そんな気遣いはしねーからな」
「上等っ、だ……」
 広げさせた足を抱え直し、体勢を整える。自身の声が切羽詰まっていることに、自分で気付くほどなのを考えれば、それが相手に伝わっていないはずがない。
 相手が呼吸を整えるのを察するのももどかしく、勢いを付けて蕾を深く穿った。
「んっ……」
 強気の言葉と裏腹な声が漏れたが、その場所は意外にすんなりと受け入れ、裡は指で感じた以上に熱い。ようやく与えられた直接の刺激に、達しそうになるのを堪えながら、僅かに腰を引いて緩やかに腰を打ちつけた。
「ぅっ……くっ、……!」
 身体を揺さぶられて、くいしばった歯の間から、声が微かに漏れてくる。その声が耳を通って否応なく昂り、自身を包む快感に耐えきれず、なんども深く腰を打ちつけた。
 快感に飲まれそうな意識の合間に、相手の指が強く敷布を掴んでいるのが目に入った。苦しいのだろう。ほんの気休めに過ぎないだろうと思いながら、目の前で揺らめく芯を強く扱く。
「んっ……や、め……」
「いい、だろ……っ」
 自身の動きと合わせると、自身を包んだ箇所が奥へ誘い蠢く。耳へ届く吐息も快感の音が混じり、支えていた膝がびくんと震える。
「……っ、……!」
 詰まった吐息が、どちらのものだったのかも分からなかった。
 強い締め付けに耐えきれず、一際奥へ自身のものを叩き付けると同時に、強く扱き上げる。すぐに、呼応するように先端が震え、熱いものが掌へ吐き出された。