ぼんやりとした薄明かりに、達哉の細い髪が透けていた。
(寝顔は、昔のまんまだな……)
 成人男性、それも軍籍の人間にこんなことを思うのは変かもしれないが、可愛い、と感じた。
 実際、小柄で顔つきも幼い達哉は、昔のままのように見える。
 むつきのとれない時分から世話をしてきた。その彼を、直人は昨夜、とうとう自分のものにしたのだ。
 感慨にも近い心情で寝顔を見つめていると、達哉が小さく身じろぎした。素肌のままの肩があらわになり、肌寒くなったのか、達哉の眉間にしわがよる。
「……ん」
 うっすらと目を開けた寝ぼけ眼と視線があい、直人がゆっくりと、小さく微笑んだ。
「……おはよう」
「う、……ん……」
 達哉がしぱしぱと、数度瞬きをする。まだ頭がはっきりとしていないのか、寝ぼけ眼がぽやっと直人を見つめた。
「……んー……」
「達哉?」
 かと思うと突然素肌へすり寄ってきた達哉に、再び髪を梳いて、小さく名前を呼んだ。指の間から、真っ赤に染まった耳が垣間見える。
 思わず知らず、顔がにやけた。どこまでも初心な反応を楽しむように、そっと髪に口付ける。
「……ぅー……」
 小さな声が漏れたのを耳にして、再び愛おしむように髪を撫でた達哉の頭は、幼いころと同じ、直人よりもずいぶん低いところにあった。






とりあえずブッた斬る。朝チュンあとは、まったく別の話ですよね。