身体が熱い。そんなに飲んだ覚えはないのに、手足が重い。
(抵抗……できな……)
 与えられる刺激に、どくんどくんと脈打つ身体が、素直に反応する。そして反応する自分に気付くと、それだけで身体が跳ねる。
 快感の循環に、冷静に考える頭など既にない。
「そんなに煽るなよ……」
「……っ!」
 低い声とともに、再びとろりと何かが垂らされた。
 振り返って確認するにも、身体が重い。挿れられた指がそこを軽く押し広げ、雫が胎内へ染み込んでいくのが分かり、敷布を握る指先に力が入った。
「……はっ、んっ……あ、あぁっ……」
「そろそろ、いいか」
 尋ねられると同時に、ぐるりと指が廻された。掠めるような痺れが全身を貫き、顔を埋めていた腕が震える。
「解す必要もないかな……」
「ん、うぁっ……」
 指よりも熱い質量が、裡を押し開いた。それが一箇所を掠めた瞬間、腰から背中へ快感が電流のように走り抜け、びくんと身体が引き攣った。
 足が震えて、姿勢を保つのが辛い。へたり込みそうな腰を支えられると、走った刺激に、目尻に熱いものが滲んだ。
「っ……、動くぞ」
 耳元の声に、微かに頷く。
 途端勢いよく突き上げられ、頭の中が真っ白になった。
「んっ……あ、んっや、……あぁっ……」
 後ろから揺すられるたびに、身体中が痺れるように熱くなる。
 何がどうなっているのか分からない。
 抉られる快感だけが、指先まで広がり染みついていく。
「あっ、は……あぁ、やっ、ふ、あああっ……――!」
 強く突かれた瞬間、登り詰めた全身が、びくんと痙攣した。
 同時に先端が震え、溜まったものを吐き出した。
 すべてを出しつくしたあとも、全身が強く脈打っていた。
 内股の震えはどうしようもなく、絶頂の余韻に震える肢体を、今度こそその場に横たえた。
 抜き去られる瞬間の刺激すら、今の身体には強すぎる。
「……あっ――! はぁ、はっ……」
 身体が微かに次の快感を求めているのを、吐息とともに押し殺す。
 どちらの吐息かも分からない。吐き出した白濁の匂いと、互いの身体の香、酒気が混じり合って周囲に漂っている。
 僅かに身じろぎした瞬間、身体の奥の熾火が揺らめいた。胎内で何かがとろりと動いたのだ。
 熱い。
 とろりとくすぐるような感触に、重く投げ出したはずの全身が、何かを期待して痺れを生んだ。
「……ん、……」
「……こっち、向けよ」
 肩下へ差し入れられた手に支えられ、震えの止まらない身体を反転させる。触れられただけで、掌の熱が伝わり拡がっていく。身体が重い。
「っ、は……ぁ、……――っと、」
 疼く。
 体温を求めて両手を伸ばし、掠れた声を出した。瞬間、身体の疼きがいっそう強いものになった。
「……え?」

「……もっ、と……ほし、ぃ……!」

「……熱いのか?」
 引き寄せた唇が、耳元で囁いた。さすがに顔を見せるのは恥ずかしく、首を縦に振ることで肯定の意を示す。
 途端、足を割り開かれた。自分からも求めるように足を広げ、ちらりと見た顔に切羽詰まった様子を見てとる。
 つい先刻吐き出したはずの芯が固さを持って、入り口にぴたりと当てられる。
 登り詰めたばかりの筈の身体が期待しているのを、恥ずかしいと思う余裕もなかった。





いろいろ間違ってこんなんなりました(目逸らし)。土下座して5時間謝罪会見(うち4時間萌え語り)したい。